既存のWordPressサイトをドメインを変えずにmixhostに移行する手順

先日エックスサーバーとConoHa VPSからWordPressサイトをmixhostに移行しました。

その時の様子を別の記事で書いています。

上の記事では、サーバー移行の方法についてお伝えしていなかったので、今回は私が行った他サーバーからmixhostへのWordPress移行手順を記事にしました。

移行で問題になるのがドメインのネームサーバー設定です。
タイミングを間違えると、サイトにアクセスできない時間ができてしまいます。

完全にゼロにはできませんが、できるかぎり影響の少ない方法を紹介します。

重要

収益がでているサイトは、失敗して収益を減らさないためにMixHostのWordPress移転代行サービスを使うべきです。
1サイトにつき1万円程度なので、もしもの時を考えると安いです。

前準備:データ量削減

WordPressの移行作業を始める前に、できるかぎりデータ量を減らします。

使用していないプラグインやテーマを削除

プラグインとテーマのデータは、そのまま移行されます。
使用していないプラグインとテーマは削除しましょう。

画像を一括圧縮

データ量を増やす一番大きな要因は画像データです。
EWWW Image Optimizerなどで画像を一括圧縮してください。

ゴミ箱・下書き・使用していない画像を削除

ゴミ箱や下書きのまま放置している記事を、この機会に削除してしまいましょう。

また、使用していないと断言できる画像も削除です!

バックアップの削除

サーバーの設定によっては、バックアップファイルが移行データに含まれてしまうことがあります。
可能なら削除しておきましょう。

※念のため削除前にパソコンにバックアップファイルをダウンロードしておいてください。

キャッシュの削除

サーバーだけでなくプラグインが作成したキャッシュデータも、移行データに含まれてしまうことがあります。
可能なら削除しておきましょう。

不安ならそのままにしておく

これらの作業はバックアップを取り、パソコンにダウンロードしてから行ってください。
操作を誤ると、サイトが正常に表示されなくなり、移行どころの話ではなくなってしまうからです

特に収益が出ているサイトは要注意です。
失敗するとその日から収入がゼロになってしまいます。

不安な場合は、そのままにしておくか、有料の移行代行サービスを使ってください。

WordPress移転代行サービス | mixhost

mixhostの場合は1サイト1万円程度なので、収益がゼロになるリスクを考えると安いはずです。

前準備2:移行データの作成

移行データの作成は「All-in-One WP Migration」というプラグインを使用します。

All-in-One WP Migration

All-in-One WP Migrationの特徴

とにかく簡単

無料でも制限がゆるい

ほぼ知識不要で使用できるプラグインです。

All-in-One WP Migrationのインストール

プラグイン > 新規追加 をクリック

プラグイン > 新規追加

キーワードに「All-in-One WP Migration」と入力

新規プラグイン キーワード入力

「今すぐインストール」をクリック

新規プラグイン 「今すぐインストール」をクリック

「有効化」をクリック

プラグイン 有効化

インストール完了!

移行データの作成

次に移行するWordPressをエクスポートしましょう。

All-in-One WP Migration > エクスポート をクリック

All-in-One WP Migration > エクスポート

エクスポート先を開き、「ファイル」をクリック

エクスポート開始

エクスポートデータの作成が終わるまで、何もしないで待ちます。

終了したらダウンロードボタンを押して、移行用データをパソコンに保存します。

パソコンへのダウンロードに失敗したら、もう一度「ファイル」をクリックしてください。

ファイルサイズが512MBを超えたら

512MBを超える

All-in-One WP Migration」は、移行先で読み込めるファイルサイズが512メガバイト以内という条件があります。
このサイズ以上のファイルを利用するには、有料オプションを購入しないといけません。
※現在のバージョンは、特に制限は無いようです。650Mバイトでも問題なく移行できました。

ただしファイルを複数に分け、一つのファイルを512MB以下にすることで、対応することができます。

分割ダウンロードの仕方

エクスポート画面で、高度なオプションを開きます。

高度なオプション

分割ファイル1
メディアライブラリをエクスポートしない以外にチェックを入れて、エクスポートします。
メディアライブラリは画像データです。
エクスポート結果が512MBをこえてしまう場合は、FTPなどを使って手動で移動させるか、有料オプションを購入する必要があります。

分割ファイル2
メディアライブラリをエクスポートしないのみにチェックを入れて、エクスポートします。
スパムコメント・投稿リビジョンは基本的には必要ないので、チェックをいれても大丈夫です。

移行手順1:mixhostにドメイン登録

いよいよ、mixhostでの作業に入ります。

mixhostにまだ登録してない人は、こちらから無料お試しできます!(宣伝)

mixhost ホームページ
MixHost公式ページ

なお、この時点ではネームサーバーの変更を行いません。

まずはドメインの登録をします。

こちらの記事を見て、登録してください。

移行手順2:WordPressの設定

次にWordPressの設定を行います。

ドメイン設定で紹介した記事内の、次の項目を参照してください。

なお今回は、設定時の注意事項があります。

mixhost wordpress 設定 フル

※設定は番号を振った項目のみおこないます。

1.プロトコル

 https://または、http://は、移行前と同じものを選択します。

2.ドメインの選択

 移行するドメインを選択します。

3.ディレクトリ

 移行前と合わせます。

 通常は空欄。
 TOPページが、http(s)://ドメイン/abcdなら、”abcd"

4.ユーザーネーム(管理者名)

 移行前のログインIDを入力します。

5.管理者パスワード

 移行前のログインパスワードを入力します。

6.バックアップ

 お好みで!!

移行手順3:hostsファイルの編集

mixhostでWordPressのインストールが完了しました。

しかしネームサーバー変更が完了していないため、ブラウザでアクセスすると、旧サーバーにログインしてしまいます。

そこでhostsファイルを書き換え、強制的にドメインのIPアドレスを変更します。

mixhostのIPアドレスを調べる

まずは移行先サーバーのIPアドレスを調べます。

mixhostのcPanelにログインしてください。

画面右側の「一般情報」を参照します。

mixhost Shared IP Address

「Shared IP Address」がレンタルサーバーのIPアドレスです。

パソコンのhostsを編集

移行先サーバーにアクセスしたいパソコンで、hostsを編集します。

編集方法は、次のリンク先を参考にしてください。

変更後ブラウザでサイトのトップページにアクセスし、変更元のサイトが表示されなければOKです。

移行手順4:移行先サイトにログイン

hostsの変更ができたら、mixhostにインストールしたWordPressにログインします。

http(s)://ドメイン/wp-admin/

なお、WordPressをhttpsでインストールしていると、次のようなエラーが表示されます。

この接続ではプライバシーが保護されません

ブラウザによって、表示内容が異なりますが、意味としては同じです。
SSLの設定が完全に終わっていないのが理由です。

問題はないので詳細を開き、サイトにアクセスしてください。

移行手順5:アップロード上限の変更

mixhostでは、パソコンからサーバーにアップロードできるファイルサイズが、初期値では64メガバイトに制限されています。

移行前のサイトで作成しダウンロードしたデータのサイズが、64メガバイトより大きい場合、設定を変更する必要があります。

MultiPHP INI Editorを起動

cPanel > ソフトウェア > MultiPHP INI Editor をクリック

MultiPHP INI Editor

アップロード上限の変更

アップロード上限を変更するドメインを選択します。

MultiPHP INI Editor ドメイン選択

post_max_sizeとupload_max_filesizeのそれぞれの値が、memory_limitよりも小さくなるように、サイズを入力します。

All-in-One WP Migrationの制限が512MBなので、上の図ではそのサイズを上回る値を設定しています。

memory_limit:1000M
post_max_size: 800M
upload_max_filesize:800M

入力できたら、「適用」を押してください。

移行手順6:移行データの復元

移行前のサイトを、移行先のmixhostに復元します。

All-in-One WP Migrationのインストール

前準備2と同じ方法で、All-in-One WP Migrationプラグインをインストールします。

移行データのインポート

All-in-One WP Migration > インポート をクリック

All-in-One WP Migration インポートメニュー

最大アップロードファイルサイズが、移行手順5:アップロード上限の変更で設定した値になっているか確認。

All-in-One WP Migration インポート

インポート元」へ、移行データをドラッグアンドドロップ。

ファイルがアップロードされ、インポート処理が開始されます。

メッセージに従って、進めてください。

移行データを複数に分割している場合は、そのまま次のデータをインポートしてください。

インポート中に処理が止まってしまったら

All-in-One WP Migrationは、インポート中に処理が止まってしまうことがよくあります。
数分待って変化がなかったら、次のリンク先の方法でWordPressを削除して、再度インストールしてください。

インストールに失敗したら

移行データを分割している場合、インポートする順番が影響するかもしれません。

僕のときも、数回失敗しました。
順番を変えながら、何度もチェレンジして、なんとか成功させることができました。

補足:KUSANAGI環境からmixhostに移行した場合

KUSANAGI環境のサーバーからmixhostに移行した場合、次のようなKUSANAGIの環境設定画面が残ることがあります。

KUSANAGIの環境設定 残る

この場合、ファイルマネージャでKUSANAGIのプラグインを削除します。

削除するKUSANAGIプラグイン

場所1

public_html > ドメインフォルダ > wp-content > mu-plugins

削除ファイル:
kusanagi-wp-configure.php
wp-kusanagi.php

場所2

public_html > ドメインフォルダ > wp-content > mu-plugins > kusanagi-core

削除ファイル:
全て(フォルダ含む)

場所3

public_html > ドメインフォルダ > wp-content

削除ファイル:
advanced-cache.php

削除をしたら再ログインをして、KUSANAGIの管理画面が表示されなければOKです。

本当に削除していいのか不安な場合は、名前の変更でも大丈夫です。
しばらく使用して、問題ないと感じたら削除してください。

移行手順8:パーマリンクの設定

移行後のサイトでは、パーマリンクが無効になっている可能性があるので、再設定を行います。

設定 > パーマリンク設定 をクリック

Wordpress パーマリンク再設定

何も変更しないで、「変更を保存」ボタンを押します。

Wordpress パーマリンク再設定 変更を保存

パーマリンクの再設定を行ってもリンクが正常に機能しない場合は、こちらの記事を参照してみてください。

移行手順9:ネームサーバーの変更

無事にサイトのインポートが完了したら、正常に表示されるか確認してください。

確認できたら、ドメイン取得先でネームサーバーを変更します。

ネームサーバー1: ns1.mixhost.jp
ネームサーバー2: ns2.mixhost.jp
ネームサーバー3: ns3.mixhost.jp
ネームサーバー4: ns4.mixhost.jp
ネームサーバー5: ns5.mixhost.jp

ネームサーバー変更後、インターネットに浸透するまで数時間から数日かかります。
またmixhost側でSSL設定が完了するまで、数時間から数日かかります。

mixhost側の設定が終わる前に、ネームサーバー設定が浸透すると、一時的に「この接続ではプライバシーが保護されません」とブラウザに表示されます。

タイミングの問題なので、待つしかありません…

不安な場合はmixhostに問い合わせてみてください。
親切に対応してくれて、強制的にSSL化してくれたという話もあるようですよ。

後始末

最後に後始末をしっかりとしましょう。

hostsファイルの編集

移行手順3で変更したhostsファイルを元に戻しておきましょう。

All-in-One WP Migrationを無効化

有効化されているプラグインは、WordPressの処理速度を遅くします。
使わないプラグインは、停止しておきましょう。

今後使用する予定がないなら、削除しておきましょう。

ファイルアップロードサイズの上限をもとに戻す

移行手順5でファイルがアップロードサイズの上限を変更している場合は、元のサイズに戻しておきましょう。

不正なアクセスで、大きなデータを送信されることを防ぎます。

アップロードサイズの初期値

memory_limit:128M
post_max_size:64M
upload_max_filesize:64M