以前の記事でwp_register_script関数とwp_enqueue_script関数の違いについて解説しました。
似たような機能でwp_register_style関数とwp_enqueue_style関数があります。
WordPressでstyleタグを出力するとき、使用することが推奨されています。
しかしこの二つの関数は構文が似ていて違いがよくわかりません。
いったいどんな違いがあるのでしょうか。
各関数の構文
まずはwp_register_styleとwp_enqueue_styleの構文を確認してみます。
wp_register_styleの構文
wp_register_styleは次のようになっています。
wp_register_style($handle, $src, $deps, $ver, $media)
| 引数名 | 内容 | 省略 | 規定値 |
|---|---|---|---|
| $handle | 登録するスタイル情報の名前。重複しない任意の文字列。 | 必須 | - |
| $src | cssファイルのパス。 | 必須 | - |
| $deps | cssファイルが依存している$handleの値を要素に持つ配列。 | 省略可能 | array() |
| $ver | cssファイルのパスにバージョンとして付加される文字列。 | 省略可能 | false(付加しない) |
| $media | media属性 | 省略可能 | 'all' |
wp_enqueue_styleの構文
次はwp_enqueue_styleの構文を確認してみます。
wp_enqueue_style($handle, $src, $deps, $ver, $media)
| 引数名 | 内容 | 省略 | 規定値 |
|---|---|---|---|
| $handle | 登録するスタイル情報の名前。重複しない任意の文字列。 | 必須 | - |
| $src | cssファイルのパス。 | 必須 | - |
| $deps | cssファイルが依存している$handleの値を要素に持つ配列。 | 省略可能 | array() |
| $ver | cssファイルのパスにバージョンとして付加される文字列。 | 省略可能 | false(付加しない) |
| $media | media属性 | 省略可能 | 'all' |
構文が同じ
二つの関数を並べてみるます。
wp_register_style($handle, $src, $deps, $ver, $media)
wp_enqueue_style($handle, $src, $deps, $ver, $media)
緑色の箇所が、異なる部分です。
関数名が違うだけで、受け取る引数の数と内容が同じです。
これでは、二つの関数の違いがよくわからないという疑問が出てくるのも仕方がないですね。
wp_register_styleとwp_enqueue_styleの違い
二つの関数名で特徴的な部分はregisterとenqueueです。
registerは「登録」、enqueueは「キューに入れる」という意味を持っています。
ここで「キュー」とは、styleタグとして出力する前に、cssファイルのパスなどを保存しておくデータ領域を指します。
その際、$depsで指定した依存関係を考慮しながらタグが生成されます。
「登録」も「キューに登録」というイメージを持つかもしれませんが、ここでは、キューに入れる候補をキューとは別のデータ領域に保存しています。
つまりwp_register_style関数を実行しただけではstyleタグとして出力されません。
出力するには、次のコードのように同じ$handleに対してwp_enqueue_style関数を実行して、「登録」されている情報を「キューに入れる」必要があります。
- wp_register_style( 'a1', '/css/a1.css' );
- wp_enqueue_style( 'a1' );
実行すると、headタグ内に次のstyleタグが出力されます。
<link rel='stylesheet' id='a1-css' href='http://xxxx.com/css/a1.css?ver=5.9' type='text/css' media='all' />
WordPressの作法としては、「登録」してから「キューに入れる」のが正しいです。
その点からいうと、上のコードは非常に分かりやすいですね。
しかし僕たちを混乱させるのが、次のコードのように、wp_enqueue_styleだけでもstyleタグを出力できる点ですね。
- wp_enqueue_style( 'a1', '/css/a1.css' );
「wp_register_styleいらないじゃん!」と思いますね。
使い分ける基準があるのでしょうか。
wp_register_styleとwp_enqueue_styleの使い分け
キューを使ったstyleタグの出力は、次の二つの方法があります。
- wp_register_styleで「登録」して、wp_enqueue_styleで「キューに入れる」
- wp_enqueue_styleで直接「キューに入れる」
どちらでもいい
二つの方法の使い分けですが、「好きなほうを使えばいい」が正解です。
それというのも、wp_enqueue_style関数を実行したとき、wp_register_style関数で「登録」されていないハンドルが指定された場合、wp_register_style関数と同じロジックで「登録」されるからです。
つまり、上記の二つの方法は全く同じ結果になります。
あとは、関数を2回呼び出すのをムダととるかどうかで、これはプログラマー側の判断次第です。
お勧めしない使い方
WordPressは、wp_register_style関数で使用する可能性があるcssを全て登録しておいて、実際に使用するものだけwp_enqueue_style関数を実行しています。

テーマやプラグインの開発者側も同じような使い方をしようと考えるかもしれませんが、これはおすすめできません。
理由を説明する前に、WordPressが管理しているスクリプトで、「登録」されているものと「キュー」に入っているものの数をカウントしてみます。
- <?php
- global $wp_styles;
- echo '<p>登録されているスタイル数:'.count( $wp_styles->registered ).'<br>';
- echo 'キュースクリプト数:'.count( $wp_styles->queue ).'</p>';
- ?>
「登録」は$wp_styles->registered配列の数を、キューは$wp_styles->queueの数をカウントします。
僕の環境では、次のように表示されました。
登録されているスタイル数:64
キュースクリプト数:2
そして次の二つのタグが出力されました。
<link rel='stylesheet' id='wp-block-library-css' href='http://xxx.com/wp-includes/css/dist/block-library/style.min.css?ver=5.9' type='text/css' media='all' />
<style id='global-styles-inline-css' type='text/css'>
body{--wp--preset--color--black: #000000;/*以下省略*/}
</style>
64も登録しておいて、実際に使用しているのは2です。
非常に無駄なことをしている印象を持ってしまいますね。
ただWordPressはバージョンアップを何度も行って、その都度効率のよい方法を模索してきたはずです。
その結果が今の状況なので、これがベストなんでしょう。
テーマやプラグインの開発者側も、何らかの合理的な理由があるなら、使用する可能性があるcssを全て登録しておくような使い方をしてもいいと思います。
しかし特に理由がないなら、必要になったときに必要なものだけ登録すべきです。
使用しないのに登録するのはムダです。ムダはできる限り排除しましょう。
wp_deregister_styleとwp_dequeue_styleの違い
wp_register_style関数またはwp_enqueue_style関数で登録した情報は、それぞれwp_deregister_style関数とwp_dequeue_style関数で削除できます。
それぞれの関数がどのように対応しているかは名前を見れば一目瞭然ですが、一応表にしておきます。
| 登録関数 | 対応する削除関数 | 内容 |
|---|---|---|
| wp_register_style | wp_deregister_style | 「登録」と「キュー」から削除 |
| wp_enqueue_style | wp_dequeue_style | 「キュー」から削除 |
wp_enqueue_style関数で登録したハンドル名で、wp_deregister_style関数を実行しても問題ありません。
その場合、「キュー」から削除から削除されますが、「登録」は残ります。
ちなみに、依存するcssが指定されていて、そのcssが登録されていない場合はタグを出力しない仕様になっています。
そのため依存するcssが次のコードのように「登録」から削除された場合、styleタグとして出力されません。
- wp_enqueue_style( 'a1', '/css/a1.css' );
- wp_enqueue_style( 'a2', '/css/a2.css',['a1'] );
- wp_deregister_style( 'a1' );
wp_deregister_scriptはWordPressが用意した一部のハンドルを削除できませんでしたが、wp_deregister_styleは全て削除できます。
「登録」または「キュー」済みの情報を一覧する
wp_register_style関数またはwp_enqueue_style関数で登録した情報を、後から一覧で表示できると不必要なスクリプトを見つけることに役立ちます。
一覧方法について次の記事で紹介しているので、読んでみてください。
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